ログイン紗月は唇を一度噛んでから、ドアを開けた。
高瀬莉奈が、満面の笑みを浮かべていた。片手にノートパソコンのバッグ、もう片方にコーヒーを二つ。昨夜見た、クリーム色のカーディガンを着ている。
「今日はラテにしました。昨日、あまり眠れなかったんじゃないですか?」
「わかります?」
「少し。先生、締め切り前って決まった顔になるから」
莉奈は当たり前のように家へ入り、自分のスリッパを出した。週に三日、ここで働くようになって一年半。靴箱の二段目、直人のスニーカーの隣に、淡いピンクのスリッパが置かれていた。
その距離が近すぎると、今日、初めて思った。
莉奈を連れてきたのも、直人だった。出版社で校正をしていた人で、発想がよく、口も堅い。そう言って履歴書を見せた。締め切り前の資料調べや誤字の確認を任せられる人が欲しかった紗月は、簡単な面接のあと、莉奈を採用した。
初日から息が合った。長い文章の終わりで紗月が忘れがちな句点を見つけ、登場人物の名前が入れ替わった箇所も正確に指摘する。締め切りが重なる日は、明け方まで残ってくれることもあった。
直人がタクシーを呼んで送ると言うと、莉奈は決まって、同じ方向ですから、と笑った。紗月は会社近くのワンルームに住んでいると思っていた。住所を確かめたことはない。雇用契約書も身分証の写しも、直人が管理していた。
二人は、その無関心まで利用した。
「社長は、もう出社されました?」
「ええ。さっき」
「今日は外で打ち合わせでしたよね」
「そうでしたっけ」
直人の予定を、莉奈のほうがよく知っていた。
「どうしたんですか。予定、変わったんですか?」
「いえ。昨日、ファイルを整理していて聞いた気がしたので」
莉奈は軽く笑い、キッチンへ向かった。食器棚からグラスを出し、コーヒーを移す。紗月がよく使うグラスも、ストローのある引き出しも、聞かずにわかる。
紗月はテーブルの向かいに座り、その手を見ていた。
「莉奈さん」
「はい?」
「子ども、好きですか」
グラスの中で氷がぶつかった。
「急に、どうしたんですか?」
「バッグのシールが可愛かったから」
パソコンバッグの持ち手に、緑色のティラノサウルスが貼られていた。直人の袖から剥がしたものと、同じ絵だ。
莉奈はシールを見下ろし、爪で端を擦った。
「甥っ子が貼ったんです。今、恐竜に夢中で」
「いくつですか」
「五歳です」
「男の子?」
「はい。姉の子なんです」
答えるまでの間は短かった。昨夜の直人より、ずっと用意のいい人に見えた。
すぐに莉奈はパソコンを開き、いつもどおり原稿の話を始めた。昨日紗月がアップした六十三話は感情の流れが弱いと、指摘をまとめてきている。的確だった。かつては、この感性を見つけられたことを幸運だと思っていた。
「ここで彼がすぐ謝るのは、違う気がします」
「どうして?」
「まだ、自分の何が悪かったのかわかってないじゃないですか。彼女を失うのが怖いだけで、彼女がどれだけ傷ついたかには、興味がないんです」
自分の言葉を裏づけるように、莉奈が一文を指した。
紗月は笑いそうになった。笑う代わりに、ぬるくなったコーヒーを飲んだ。
「そうですね」
「先生にしては、許すのが早すぎます」
「本当に」
莉奈が紗月のパソコンへ身を寄せた。
「新作、まだ共有フォルダに上げてませんよね?」
「もう少し書いてからにします」
「社長に、今週中に企画書までまとめるよう言われていて」
「私の原稿なのに、社長が莉奈さんに締め切りを決めたんですか」
莉奈の目が、わずかに揺れた。
「会社としての予定です。海外向けの検討も必要だそうで」
「初めて聞きました」
「私の勘違いかもしれません。社長に確認しますね」
莉奈は慌てて次のファイルを開いた。紗月は気づかないふりで画面を見た。自分を抜きにした予定が、どこまで進んでいるのか。今、すべて吐かせる必要はない。
午前十一時二十分、スマホが鳴った。
一ノ瀬怜司からだった。
ずっと昔、『汐』というペンネームを一緒に考えてくれた編集者。今はストーリアのIP事業担当取締役だと、人づてに聞いていた。直人がいい顔をしないため、個人的な連絡は何年も取っていなかった。
紗月は画面を見つめてから、電話に出た。
「もしもし」
『ご無沙汰しています、先生。一ノ瀬です』
「お久しぶりです。どうされました?」
『直接確認したいことがありまして。今、少しよろしいですか』
向かいの莉奈を見た。画面を見るふりをしながら、聞き耳を立てている。
「今は難しいので、あとでこちらからかけ直します」
『わかりました。ただ、今日中に必ずご連絡ください』
怜司は一度、言葉を切った。
『先生のお名前で届いた、著作権譲渡の申請についてです』
前日のリハーサルは、ページオンのオフィスで行われた。入口のソファも撮影用の照明も、汐文コンテンツの帳簿で見た品だった。翻訳の前払金が処理された日に買われたものだ。壁には、まだ刊行されていない新作の人物相関図。紗月が共有フォルダに上げたメモを、色だけ変えて印刷したものだった。机には、『代表 高瀬莉奈』の名札がある。机もパソコンも揃っているが、会社の口座は直人が管理し、契約書は一枚たりとも彼の承認なしには出せなかった。見える席だけを莉奈に与え、実権は自分が握っていた。三人のスタッフが進行を合わせ、直人が投影資料をめくる。莉奈は登壇用の原稿を手に、同じ文章を何度も読んでいた。紗月は祝辞の確認という名目で、後方に座っていた。「汐先生は、健康上の理由により執筆活動を縮小し……」莉奈が読みかけて、止まった。「ここまで、私が言わなきゃだめ?」「言わないと、流れがつながらない」直人は画面も見ずに答えた。「どうして急に君が出てきたのか、記者に聞かれるだろ。紗月が書けなくなって、引き継いだという説明が要る」「書けなくなったわけじゃ、ないでしょ」莉奈の目が一瞬、紗月に触れて、外れた。直人の声が低くなった。「ここまで来て、怖がるなよ。明日が終われば全部片づく」スタッフが莉奈に決裁書類を差し出した。会場費と短期借入れに関する確認書だった。ページオンの代表である莉奈が、最後のページに署名する必要があった。素早くめくっていた手が止まる。「私が、連帯保証人なの?」「設立したばかりの会社なんだから」「問題が起きたら、損害賠償も全部、私の責任になってる」「形式的な文言だよ。問題なんて起きないだろ」「直人の名前、どこにもないじゃない」室内が静まった。直人はスタッフを先に外へ出した。紗月にも休んでいてくれと言い、会議室のドアを閉めたが、莉奈の高くなった声はガラスの仕切り越しに聞こえた。「1704号室だって、私の家じゃないんでしょ。汐文コンテンツがお金を出した、スタッフ用の住居だって」「権利の契約が終われば、ページオンの扱いにするって言っただろ」「株をくれる話も口だけ。借金と責任ばかり、私の名前じゃない」「莉奈」「私には、何が残るの?」少しの沈黙。直人の声が、前より柔らかくなった。「俺がいる。湊と三人で暮らすって、決めただろ」「紗月さんとの離婚、
夫は、捨てるものがない日にもゴミを出しに行った。最初から、おかしかったわけではない。結婚してからずっと、ゴミ出しは直人の担当だった。水曜の夜十時になるとリビングとキッチンをひと回りし、ペットボトルや缶を集める。紗月が畳んだ段ボールを玄関に置いておけば、それもひもでまとめて持っていった。敷地内のゴミ置き場は二十四時間使える。十分あれば済むことだった。「ゴミ出してくる」「うん。牛乳パックもお願い」「どこ?」「シンクの横」「わかった」いつものやり取りだった。帰ってきた直人が手を洗うあいだに紗月は麦茶を注ぎ、二人でソファに座って、十分ほどテレビを見る。何も話さず同じ画面を眺めていても、気まずくない。長く連れ添う夫婦の穏やかさとは、こういうものだと思っていた。変わり始めたのは、三か月前だ。水曜でもないのに、直人がペットボトルを二本持って出ていった。次は金曜。その翌週は月曜と木曜。ここ半月は、一日も欠かしていない。帰りも遅くなった。十分が二十分になり、四十分を超えた日もあった。「ゴミ出し、ずいぶんかかったね」何気なく聞くと、直人は冷蔵庫を開けながら答えた。「下の階の人に会ってさ。駐車場の話で長くなった」「駐車場?」「俺の車の横に、いつもぎりぎりまで寄せてくる車、あるだろ」そんな車があっただろうか。紗月は少し考え、すぐに忘れた。締め切り前の週は一日のほとんどを仕事部屋で過ごす。地下の駐車場へ下りることもめったになかった。直人は、紗月のそんな暮らしをよく知っていた。出会ったころ、紗月はまだデビュー二年目の作家だった。入金のある月とない月の差は大きく、確定申告が近づくと、夜明けまで領収書を探していた。数字に強い直人が、ひとつずつ引き受けてくれるようになった。法人を作ろうと言ったのも、直人だ。紗月が書き、直人が契約と金を管理する。新作が三作続けてヒットすると、直人は勤めていた会社を辞めた。妻の仕事をそこまで支える夫は珍しいと、周囲は羨ましがった。紗月も、そう思っていた。自分が物語の始まりから終わりまでを引き受けるあいだ、彼がその外側の世界を守ってくれているのだと。だから、法人口座の認証カードがどの引き出しにあるのかも、取引先が何社あるのかも、正確には知らなかった。決裁が必要だと言われれば、直人が広げた書類の印のある場所に署名する。七
イベントまで二日となった午後、汐文コンテンツの予定管理アカウントから、会議の招待が届いた。ストーリアと、発表前に権利の範囲を調整するという。場所は人の出入りするホテルラウンジ。出席者は紗月と怜司、両社の法務担当者。直人は外部の投資家との約束で欠席するとあった。いつも契約の予定を送ってくる会社のアカウントだ。差出人だけで疑う理由はなかった。ただ、添付のメモには、法務担当者が到着する前に二人で論点を整理してほしいと書かれていた。原文を転送された真紀は、十分ほど遅れるかもしれないので、人目のある場所で待ち、どんな書類にも署名しないようにと言った。夕食の席で、直人は何気ない顔で服装まで聞いた。「今日、ホテルだろ?」「会社のメールを見たなら、わかるでしょ」「記者がいるかもしれないし、あまり普段着で行くなよ」「権利の打ち合わせに、どうして記者が?」「ホテルだから、イベントの準備に来ている人に会うかもしれないってこと」直人は汁物をすくい、目をそらした。紗月は勧められた紺のワンピースを選ばず、いつもの黒いシャツを着た。真紀と現在地を共有し、約束の場所へ向かった。怜司は窓から最も遠いテーブルにいた。空いた椅子が二脚、用意されている。「先生から先にお会いしたいと言われて、少し意外でした」「一ノ瀬さんからのご依頼では?」二人は同時にスマホを出した。会議の招待自体は同じだが、添付メモが違っていた。怜司のものには、紗月が二人だけで確認したいことがあると書かれ、紗月のものには、怜司が非公式の話し合いを希望したとあった。怜司はストーリアの法務に電話した。そもそも会議を依頼していないし、ホテルに向かっている社員もいないという。誰かが、汐文コンテンツの実際のアカウントを使い、二人に違う説明を送ったのだ。「出ましょう」怜司が先に立った。入口へ向かう途中、ガラスの向こうを見て足を止める。観葉植物の陰に座る男が、スマホを縦に構えていた。レンズが二人を追って動く。怜司は紗月との距離を空けたままスタッフへ近づき、撮影していないか確認を頼んだ。男は電話をしていただけだと言って去った。引き留める根拠はなかった。「もう、撮られていますね」「おそらく。まずは、メールを元の形式で保存します」双方のセキュリティ担当者が、二通のメールの送信情報と、会社の予定管理アカウントのアクセ
ページオンのプレスリリースは、午前九時ちょうどに配信された。新人作家・高瀬莉奈のデビュー作発表。汐文コンテンツの制作ノウハウと、人気作家『汐』の創作チームで培った経験を融合した、初のプロジェクト。その下に、二日後の権利確認・ローンチイベントの場所と時刻が記されていた。企画・制作、藤崎直人。作家、高瀬莉奈。藤崎紗月の名は、『創作メンター』という小さな文字の横にあった。紗月は最後まで読んだ。公開された試し読みには、代表者確認用フォルダに置いた囮の場面が、そのまま載っていた。ホテル・ラルーチェの三十一階。八秒間の停電。白い椿のブローチに隠した録音機。本当の新作にはない場面だ。存在しない三十二階が表示される細部まで、同じだった。流出経路を確かめるための文章が、今は莉奈を売り出すための文章になっていた。作家紹介には、『汐の長期連載をともに完成へ導いた、知られざる創作者』とある。一年半、誤字を拾い、資料を整理した仕事が、共同執筆の経歴に変わっていた。莉奈の写真の後ろに、ぼかされた本棚が写っている。汐文コンテンツの会議室のものだった。紗月の作品が十二冊並んでいたが、背表紙の『汐』は読めないよう、ピントが外されていた。ページオンの想定問答も保存した。紗月が健康上の理由で長期休載を決め、莉奈が創作チームを率いて読者との約束を引き継ぐ。同じ説明が繰り返されている。紗月に確かめたことは、一度もない。二人は原稿だけで満足するつもりではなかった。紗月が自ら筆を置いたという筋書きまで、完成させていた。パソコン脇のスマホが鳴った。直人だった。「資料、見た?」「うん」「思ったより、いい出来だろ」満足そうに笑った。あと二日で、権利がすべてページオンへ渡ると信じている声だった。「どうして、私の名前を入れたの?」「莉奈さんが紗月の下で学んだのは、本当だろ。最初は名前を出したほうが記事にもなるし」「私に聞きもせずに?」「こんなことまで、いちいち聞かないとだめなのか。会社の宣伝だぞ」答えなかった。直人はため息をつき、声を落とした。「当日、少しだけ顔を出してよ。おめでとうってひと言言って、写真を撮ればいい」「私の締め切りは?」「何日か遅れたって、どうってことない。最近調子もよくないし、休みながらやればいいだろ」その言葉まで、リリースの文章に似ていた。健康上の理
修平の中間報告は、三十二ページあった。最初のページには、三つの数字。ページオンへの累計支払額、四千七百六十万円。うち、1704号室の前払賃料と敷金として確認された額、二千八百万円。新規融資の予定額、三千万円。「これが実行されれば、再びページオンへ流れる可能性が高いです」修平が資金の流れを示す表をめくった。「返済原資の説明に使われた将来売上の予測に、新作と海外版権の収益が含まれています。まだページオンには移っていない権利です」紗月は、契約に差し出していない自分の結末が、数字になった表を見た。直人は、まだ書かれてもいない文章の利益を先に使おうとしていた。真紀はテーブルに、書類を三組に分けて置いた。「混ぜずに考えてください。会社の資金は、汐文コンテンツが取り戻します。著作権を守るのは、紗月さん個人。離婚と慰謝料は、また別の手続きです」「会社のお金も、結局は私が稼いだものですけど」「お気持ちはわかります。でも、法律上は会社のお金です。ご主人から回収して個人口座へ入れれば、同じ問題が起きます」紗月は短く息を吐いた。「すべて、会社へ戻します」最初の組は、株主として行う決議の書類だった。汐文コンテンツの全株式は紗月が保有している。直人を取締役から解任し、代表者の地位も失わせる。そして社外の経営の専門家を、暫定の代表取締役に選任する。紗月は唯一の株主として、主要な意思決定と決裁内容を直接報告させることにした。「必要な決議を成立させれば、その時点で効力が生じます。変更登記と銀行の権限変更も続けて進めます。ただ、今は実行日を確定していないので、まだ案の段階です」「代表取締役だからといって、会社の持ち主ではないんですね」「はい。藤崎さんは、紗月さんが任せた仕事を担う取締役です。任せた側が、法に従ってその任を解けます」登記を担当する司法書士は、同じビルの別室で待機していた。会社印の変更、法人用の認証手段の失効と再設定、法人カードの停止、出金権限の変更。必要な書類が順に並んでいた。イベント当日の朝、紗月が決議を確定させれば、司法書士が変更登記を申請する。受付の記録と新代表者を確認する書類を銀行の法務へ渡し、旧認証情報とワンタイムパスワードの利用停止、新規融資の保留を求める。同じ時刻、ストーリアにも代表権の変更と、権利譲渡に同意しない旨を通知する。二
夕食の途中、直人が紗月の様子をうかがった。帰宅したとき、彼はわかめの味噌汁を温めていた。手首が痛いと言ったことを覚えていて、お椀を食卓まで運んでくれた。優しさと悪事が、一人の人間の中で、何でもないように隣り合っている。「今日、どこへ行ってた?」「病院」「何の?」「手首が痛くて」紗月は箸を置いた。仕事部屋を出てから、スマホは録音を続けていた。自分が交わしている会話だ。「契約書、読んだ」直人の視線が、紗月の顔に留まった。「どうだった? 不利なことは何もないだろ」「私が病気になったら、莉奈さんが原稿を完成させるって、どういうこと?」「保険みたいなもの。連載中にまた倒れたら、読者にも配信元にも迷惑だろ」「私が、いつ倒れたの?」「覚えてない? 一昨年、締め切り前に救急へ行っただろ」過呼吸で二時間、点滴を受けたことを、直人は『執筆不能』にすり替えた。「流産の記録まで、提出する必要がある?」直人の箸が止まった。「どうして、それを知ってる?」「審査資料に入っているんでしょ。莉奈さんから、確認したいことがあるって連絡が来た」紗月の作り話だった。直人は疑うより先に、スマホを取った。「今から来てもらう。どのみち、三人で整理しないと」三十分後、莉奈がパソコンを持ってきた。直人は何を飲むかも聞かず、冷蔵庫から炭酸水を出して渡した。紗月は、その親しさに気づかないふりをした。「先生、資料のことで不快な思いをさせたなら、すみません」「私の診療記録は、どこから手に入れたんですか」「社長からいただきました。出資先から、長期連載が可能か確認したいと言われて」「私の同意は?」莉奈は直人を見た。「夫婦なんだから、そんなことまで毎回必要か?」代わりに答えたのは、直人だった。紗月は莉奈を見つめた。場をなだめる人のように眉を下げながら、彼女はもう画面に発表用の問答を開いていた。最初のページには、紗月が長期休養に入り、高瀬莉奈が執筆を引き継ぐと書かれていた。「先生も、最近おつらそうでした。同じことを何度も聞かれるときがあって」「何を、何度も聞きましたか」「新作の予定です。先週も、二回」一度目は全体の予定。二度目は海外向けの予定だけを確認した。別々の質問を、莉奈は同じ質問に変えた。「流産は、作品を書くために必要な情報じゃない」「紗月、感情的にな